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草木無量がただただ書く(旧)

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『会計士は見た!』前川修満著を読んだ感想「超面白い!会計知識も身につく」

会計士は見た!

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なぜこの本を読んだか

 40代で会社を早期退職してセミリタイア生活を送っているKotaroさんのブログのこの記事の冒頭部分の各会社のコメントを読んで面白そうな本だと思い購入した。

 

 個別株の取引をするうえでも会計の知識をきちんとつけたいと日頃思っていたこともこの本に惹かれた理由かもしれない(会計についてはこれまで中途半端に独学してきたが、いまいちきちんと知識として身についていないとの思いがあった)。

 

読んだ感想

 結論から言うと購入して大正解だった。面白かった。

 

 著者は「はじめに」のところで次のように書いている。

(引用開始)

企業の姿は、記者会見などにおける企業側の説明(PR)よりも、公表された決算書を読み解いたほうが、的確にとらえることが可能になります。

(引用終了)

タイトルの書籍P6より引用

 

 本書を読み始めるとこの言葉の意味をすぐに納得する。企業が公開した資料だけでここまでわかるのか!という感じである。お見事!である。

 

 実際の企業の決算書を見ながら、「ここを見ると〇〇だとわかる」というように、会計知識の羅列でなく、事例を通して解説してくれているので、頭に入りやすかった。

 

どんな会社が取り上げられているか

 ソニー、大塚家具、コジマ、日産、キーエンス、スカイマーク、江守グループホールディングス、東芝が取り上げられている。

 

 また、それぞれの企業に対して、比較企業の決算書も取り上げられていて、決算書のどの部分に違いがあるのかを解説している。これが超わかりやすい!

 

 例えば、ソニーの決算書を見ればもはやソニーはエレクトロニクスの会社ではなく、金融の会社であることがわかる。

 

 その水準は他の金融業の決算書との比較により「日本の金融のトップ企業に追いつこうかというレベル(P27より引用)」にまで達していることがわかる。

 

 ソニーは現在VR等に力を入れているようですが、現状では金融の会社であることを決算書が物語っています。

 

 もう1社例をあげる。

 

 コジマはリストラしても立ち直れずヤマダ電機やケーズデンキに抜かれ今やビックカメラの傘下となった。対して同じくリストラをした日産はV字回復して見事に立ち直った。

 

 この違いがなぜ起こったかについても決算書の数字を根拠に見事に解説してくれる。

 

 詳しくは本書をご覧ください。

 

一番勉強になったところ

 個人的に一番勉強になったところを以下引用する。

(引用開始)

 企業は、営業活動によってお金を稼ぎ、それを元手に必要な投資活動を行います。そこで「残ったお金」は、株主に配当されたり、借入れや社債の返済原資となったりしますが、その「残ったお金」のことをフリー・キャッシュ・フローと言います。これは、「企業が資金の提供者に対して自由に分配できるお金」を意味しています。

 キャッシュ・フロー計算書においては、ちょうど、営業活動によるキャッシュフロー(通常はプラス)と投資活動によるキャッシュ・フロー(通常はマイナス)を足した金額がこれにあたります。

(引用終了)

タイトルの書籍P186より引用

 今、改めて引用してみると、たぶんこの手の説明は何度も目にしている。でもこれまではきちんと理解していなかったというか、上滑りした理解というか、きちんと頭に入っていなかった感じである。

 

 でも今は実感を伴って理解できる。

 

 理由は、江守グループホールディングスのところでこの解説をしてくれたからだ。本書によると江守グループホールディングスは倒産の前年まで増収増益で配当までしていた(しかも増配もしていた)のに倒産。中国子会社の粉飾決算が発覚した。

 

 本書には2009年度~2013年度の江守グループホールディングスのキャッシュ・フローデータが引用されていますが、この間営業キャッシュフローがマイナスでした。なのでこの間当然のことながらフリー・キャッシュ・フローもマイナスでした。

 

 上記解説によるとフリー・キャッシュフローから配当金を出すのが普通であることがわかります。

 

 つまり、江守グループホールディングスはフリー・キャッシュフローがマイナスであるにも関わらず配当を続けてしかも増配までしているという、とんでもなく普通でないことをし続けていたことがわかります。

 

 著者によれば、キャッシュフロー計算書は粉飾がしにくいそうです。江守グループホールディングスのキャッシュフロー計算書をチェックしていれば、この異常さには簡単に気づけたということです。

 

 とても勉強になりました。

 

最後に一言

 あらためて述べますが面白くて勉強になる本でした。

 

 決算書を読み進めるにしたがってその企業の正体にだんだん近づいていく的な面白さもありました。

 

 面白いだけで終わる本でないし、会計知識を身につけるためだけの本でもない。

 

 会計知識を身につけたいと考える入口の本として最後まで面白く読めます。大変おすすめです。

 

 著者には他にもいくつか著書があるようなので他の本も読んでみようと思います。

 

 おわり。

会計士は見た!

会計士は見た!

 

読んでいただき、ありがとうございました。

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